半年間にわたって継続してきたある会社の指導を降りることになりました。
きっかけはその会社の社員の方がクレーム客と応対している電話録音です。
会社側に非があり、お客様はその不満を応対に出た責任者に激しくぶつけている会話で、社長から「この現状を聞いて今後の指導方針を考え直してほしい」と送られてきました。
社長は応対者に対して「まったくなっていない。お客様に対して謝罪と反省ができないこの担当者は、人間性に問題がある。」と評価していました。
そこでさっそくその録音を聞いてみたのですが・・・。
私の評価は正反対で、「よく傾聴に徹してお客様の不満を受け止め、安易に会話を終わらせようとせず、最後までねばり強く理解を求めている」というものだったのです。
40分間にわたって、不満をぶつけ叱責を続けるお客様に対し、ひたすら傾聴を続けるというのはなかなかできることではありません。そのかいあってお客様も最後には、お許しこそいただけませんでしたが「私も言いすぎて失礼しました」と言って切っているのです。
これまでクレーム対応について「安易に謝罪の言葉を連発せず、まず傾聴することが大切」と指導してきたので、「よく研修内容を身につけてくれましたね」と誉めてあげたくなりました。
そこで社長に「この応対には不十分とはいえ評価できる点もある。よい点を認め評価することから今後につなげたい」とメールで伝えました。
そうしたら・・・「反省と謝罪をすれば済むものを、言葉のテクニックを弄して会話を引き延ばす、こんな現状でいいというのなら、もう話すことは何もない」という返信が・・・。
その後、どんなに説明しても理解してもらえず、結局、指導を降りることになりました。
研修講師の指導を守って努力し、それなりの効果もあげたのに、社長からは人間性まで否定されてしまった担当者が気の毒でなりません。
「誠意ある反省と謝罪があればクレームはおさまる」
これはたとえていえば「病は気から」と同じようなものです。
病気を治そうとしても、原因や適切な治療法を知ろうとせず「気持ちをしっかりと持てばいい」と言っていては治りません。
クレームも同じで、原因や治療法を検討分析せずに「反省して謝ればいい」と言っていては解決しません。
お客様が不満を吐き出し切れていなければ、いくら反省や謝罪をされても受け入れることはできません。
それどころか「私の気持ちを知ろうともしないで、とにかく謝って済まそうとしている」とかえってお怒りを招くこともあります。
またお客様は必ずしも、店側の落ち度に対してだけ怒っているとは限りません。日常生活の不満やストレスを、消費者として強く出られる機会に乗じてぶつけていることもあります。
そうした点を理解し、適切な応対をするためにはまずは傾聴が欠かせないのです。
その点を理解していただけず本当に残念です。
せっかく自分で専門家を招いて指導を頼んでおきながら、その専門家の分析やアドバイス、指導を受け入れず自分の思い込みにこだわる・・・。
これは医者を呼んでおきながら、医者に向かって「その診断はおかしい。病は気からだ。治ろうという気があれば治るはずだ」と反論するのと同じなのです。
しかし、もっと悲しい話がありました。
この話を仲間の研修講師、コンサルタントの人たちにしたところ、多くの人からこう言われました。
「よくいますよ、そういう社長」「それ、典型的な中小企業の経営者ですよ」「私の前の職場の社長もそうでした」
少なくないんですね、こういう人って・・・。
こういう経営者のもとで働いている社員の方にはご苦労が多いことだろうと思います。
人の話に素直に耳を傾ける、自分と違う考えにも「そういう見方もあるのかな」と受け入れてみることができる・・・経営者である以上、そうした姿勢は欠かせないものだ、と痛感させられた出来事でした。
今、ある出版企画をもっています。
その本の出版実現を目指して、多くの方にご協力いただき、さまざまな出版社に持ち込んでいるのですが・・・。振られ続けてすでに7連敗・・・。
本当は今年の秋の刊行を目指していたのですが、延期はやむをえないようです。
しかし、7連敗程度であきらめるような私ではありませんので!
「出版実現講座」を主宰し、本を出したいと思う人の後押しをしている私が、こんなことであきらめるわけはありません。
ある出版社の編集長さんから「日本には3000社の出版社があるのだから」と言われたことがあります。
私が書きたいジャンルとはまったく畑違いの分野で出版している会社を除いたとしても、1000社くらいは持ち込み先があることになりますよね。だから1000連敗まではメゲません。
では1000連敗したら?また最初の会社から再アタックします。そのときには担当者が代わっていて別の視点から評価してもらえるかもしれませんし、世の中の流行が変っていて興味をもってくれるかもしれませんから。
つまり持ち込み先は無限にあるんです。
これから8戦目の対戦先になっていただける出版社をまた探します!
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